2009年09月14日

不死鳥とコロナの大学万歳

俺の名は不死鳥。
国立H大学に通うしがない大学生である。
いつも連れてるのは脳内友達のコロナ。
コイツは俺以外には見えない仕様だ。

「不死鳥ー。今日はゴミ当番だってさ」
研究室に入るなりコロナが俺に声をかけた。
コイツの予知能力は30分以内の未来を掌握する。
「初めてだなー。先生と会話できるかもなー」
俺は返答を返す。
先生が来てゴミ当番の旨を伝えて
俺は先生について行く。
先輩や同級生も続々と到着して
俺は次々とやって来るゴミを
1つの袋にまとめる作業をやる。
ファッショナブルな先輩達にみとれる俺。
性別不詳のコロナはソレを不思議そうな眼で見ていた。
「不死鳥って、やっぱ二次元より三次元の方が良いんだ?」
俺はドキッとして振り返る。
「俺がいつ二次元が良いって言ったよ」
コロナは手を顎に持って行ってウウムと考え込む。
「でも3次元、苦手だって言ってたでしょ?グロくて」
「ああ。グロいな。今でもそう思う」
俺は先輩の胸の谷間を見ながら
うんうんと頷いた。
コロナは白けた表情を作る。
「きっとレスポンスがあるのが嫌いなんだね。
 例えば今みたいに盗み見してたら怒られる」
「怒られるだけなら、まだマシだよな・・・」
その内、俺の事を嫌っている水泳部の某先輩が来る。
来た人の中で一番ファッショナブルで俺は度肝を抜かれる。
(ふつくしいな・・・先輩は・・・)
俺はコロナにテレパシーを送る。
(ふつくしいだけ、鉄壁のディフェンスなんだろうね)
(俺も馬鹿な事したよな・・・)
俺は水泳部でのトラウマーな出来事に思いを馳せる。
水泳部にも随分行けてないな・・・。
部員に嫌われて・・・。
女の子達の我々と異なった感受性にはほとほと手を焼く。
自分を見せなきゃ友達はできないけど
嫌われる確率もグッと上がるようだ。
某先輩の後ろ姿を見送って、俺は作業に戻る。
(ねぇ、不死鳥。誤解を解くって選択肢は無いの)
コロナが喋りかけてくる。
(解いて俺に得があるか?)
(だって壁はいつか打ち砕かなきゃなんだよ)
壁とはココロの壁の事である。
ATフィールドとも言う。
(なんで最初がいきなりあんなふつくしいレディーなんだよ)
(好きなんでしょ)
(好きじゃねーよ)
本当に全く好きではないのにコロナという奴はズレた奴である。
ニコニコ笑って、自分でも違うという事が
分かっている事を口走る。
俺の中の、とても自由な部分が投影された存在だ。
(なーんちゃって。嘘だよ。ホントはみーちゃんが好きなんだもんね)
コロナは嬉しそうに中学時代の友達の名を口にする。
(・・・俺はソレがいかんと思う)
俺は戸惑いながら言葉を紡ぐ。
(お前の言うように某先輩にでも告白した方が良いくらい、いかんと思う)
俺は俯いてしわくちゃの感情と相対した。
この、如何ともし難い現実を生きてない感。
更新されないココロのページ。
循環しない水。
沈殿するばかりの腐った感情。
これらを取り除けるのは多分
新たな恋愛だというのに・・・。
(中二病を終わらせるのは恋・・・?ホントにそんな言い伝え信じてるの)
コロナが首を傾げる。
(俺には、周りを見てて、そんな風に見えるんだよ)
(ふぅん)
コロナはニヤリと笑って停止する。
気持ちの悪い奴だ。
周りが帰り支度を始める。
時間の流れがゆっくりになって
コロナのにやつきだけが妙に印象に残る。
(君は五感の力を見失った。だから恋ができないんだ)
コロナが呟く。
(君は外に出ては叩かれを繰り返してるように一見見えるけど、
 いつからかホントの意味では出てきていない。
 自分を守る事ばかり上手くなって、攻撃に手が回っていない。
 もっとアグレッシブに生きないとドン詰まりなのに)
(コロナ・・・)
コロナはそこで一層醜く笑ってパッと姿を消した。
言いたい事は全部言った、という感じだろうか。
俺は俯いて周囲の人の波の最後尾に加わる。
言い訳ばかりでちっとも前に進まない
自分の現実を想う。
このままでは言葉で立派なお城が造れてしまえそうだ。
「チィッ」
俺は舌打ちして、
引っ掻き傷だらけの俺の動かないココロを抱え込んだ。




落ち着いてきた。
ご意見ご感想、ドシドシ待ってます。
posted by 緑鳥 at 16:44| Comment(0) | 不死鳥とコロナの大冒険 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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